新型コロナウイルスの影響で夏祭りや花火大会が相次いで中止となる中、浴衣の一大産地、浜松市のメーカーや染色工場が打撃を受けている。生産済みの製品は消費の冷え込みで来年以降に持ち越されそうで、関係者は影響の長期化を懸念する。
「もともと東京五輪に伴う夏祭り分散化で販売減が予想されていたが、まさかこんな状況になるとは」。浜松市の染色関係者がため息を漏らした。県内ではふくろい遠州の花火(袋井市)や三嶋大祭り(三島市)、清水みなと祭り(静岡市清水区)などが中止に。東京都の隅田川花火大会や青森市のねぶた祭、徳島市の阿波おどりなど全国の風物詩も今夏は見られなくなった。
浴衣の企画製造を手掛ける白井商事(浜松市南区)は、例年なら夏祭りシーズンに向けて呉服店や商業施設向けの出荷作業が続く繁忙期。今年は店舗の営業自粛が相次ぎ、予定していた納品や追加注文がストップした。
浜松注染そめ浴衣を年間約3千反、プリント浴衣約10万点を取り扱う同社の白井成治専務取締役(53)は「店を再開しても、イベントがなければ購買意欲はわかない。売り上げが半分以上減るかもしれない」と心配顔だ。
伝統技法「浜松注染そめ」を継承する現場も深刻だ。盛岡さんさ踊りなど全国の祭りで着られている「絵羽ゆかた」を注染そめで手掛ける和田染工(浜松市東区)では、4月ごろから注文が激減。5月は異例の週休5日体制を取る。2~3月に納品した手拭いや浴衣は祭りやイベントの中止で翌年使われることになるため、和田安之社長(58)は「来年の注文もないのでは」と先行きを不安視する。
浜松市中区の武藤染工も工場の稼働を止めて機械のメンテナンスや掃除に時間を費やしている。注染部の武藤泰地工場長(45)は注文の激減に伴う値崩れの危険性を指摘。「注染の技術や価値を残すためにも、安易に安売りに動かないようにしなければ」と言い聞かせるように語った。
<メモ>かつて繊維産業が盛んだった浜松市は、今も浴衣の一大産地。産地の問屋やメーカーなどでつくる「日本ゆかた連合会」によると、2019年度の浴衣取扱量は約100万点。浜松ではこのうち約40万点を扱い、名古屋や京都を上回り最多を占める。
県の郷土工芸品に指定されている技法「浜松注染そめ」で作られた高級浴衣でも知られる。注染浴衣は多様な色使いやにじみ、ぼかしが特徴。
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May 18, 2020 at 06:40AM
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浴衣出番ない夏、産地浜松ため息…在庫越年や値崩れ懸念|静岡新聞アットエス - @S[アットエス] by 静岡新聞
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