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“ロシア兵”が電話取材に漏らした本音「特別軍事作戦を始めた時点でロシアの負け」 - テレビ朝日

プーチン大統領が重視する5月9日の戦勝記念日を前に、ロシア軍の兵士たちは何を思うのでしょうか。

▽「アメリカに原爆を」ロシア兵らの“本音”直撃
番組では、ロシア兵のものとみられる連絡先を入手。 100人以上に接触を試みました。
Q. もしもし、日本のテレビ朝日です。
「切られましたね。」
国際電話を警戒してか、ほとんどが出ません。つながったとしても。
(“ロシア兵”とみられる男性)「情報を開示するわけにはいかない。国防省の命令を遂行している。だから何も話せないんだ。」
Q. 具体的なことではなく、個人的な感想も?
「もちろん何も話せない。」
そんな中、電話取材に応じてくれた数少ない、ひとりが。
「志願兵だ。」
Q. 今回ウクライナで戦ったか?
「戦った。これからも戦う。我々の国だ。敵を全員殺す。」
Q. 軍人が感じていることを聞きたい。
「アメリカに原子爆弾を投下すべきだ。すべてのイギリス野郎どもにも落とすべきだ。自分なら、とっくに原爆を投下している。プーチンはえらい。よく我慢している。自分なら、とっくにやっている。あいつらがいなければ、地球上のすべての戦争は終わるだろう。」
攻撃的な意見が聞かれた一方で、音声を変えることを条件に、ロシア軍の直面する現実を話してくれた人もいました。
「医師です。ロシア国防省の人間だが、兵士ではなく、人を助けるために派遣された。マリウポリ・ドネツク・ルガンスクなど指示された場所に行く。」
Q. 住民はウクライナ侵攻を支持しているか?
「もちろん支持していない。できるはずがない。“特別軍事作戦”を始めた時点でロシアの負けだと思う。」
Q. ウクライナでロシア軍のパレードは実施されるのか?
「ニンジン畑でやるかもしれない。分からない。」

▽アゾフ大隊「正義のために戦い続ける」
ウクライナ南東部・マリウポリ“最後の砦”となっているアゾフスタリ製鉄所。ゼレンスキー大統領は7日、製鉄所に残っていた民間人300人以上、全員を救出したと明かしました。しかし、製鉄所には、兵士およそ2000人が残り、徹底抗戦を続けています。

これは、最近撮られたという製鉄所内の写真。ロシア軍の攻撃が激しくなり、多数の負傷者が出ていて、治療もままならないといいます。
(ウクライナ24ジャーナリスト アルテム・ポポフさん)「ロシア軍の攻撃で手術室が破壊され、多くの負傷者が不衛生な状態にあります。負傷者の中には、敗血症などが原因で命を落とす人もいます」
こう話すのは、テレビ局「ウクライナ24」のジャーナリスト・ポポフさん。今も現地のアゾフ大隊幹部と連絡を取りあっています。
「すべての人工呼吸器をロシア軍に持っていかれてしまった。ウクライナ軍を治療できなくするためにマリウポリから医療関係者が連れ去られた。」
先ほどアゾフ大隊は会見をし、「正義にために戦い続ける」と改めて決意を述べました。
(アゾフ大隊幹部)「生きている限り正義のため侵略者を追い出すため負傷した兵士を避難させるために戦い続ける」

▽東部“ドンバスの戦い”最前線の街は
マリウポリを含む「東部ドンバスの解放」を掲げて“特別軍事作戦”を始めたロシア。
2月24日の侵攻開始以降、ロシア軍は、ドンバス地方で実効支配する二つの「人民共和国」から、どんどん制圧地域を拡大させていきました。しかし、4月に入ってからは、ウクライナ軍の抵抗で、戦線は膠着状態です。
戦闘の最前線にあるルハンシク州のポパスナ。街は完全に破壊され、瓦礫だらけです。ロシア兵が手榴弾を投げる様子が映っています。建物の地下に隠れているウクライナ兵を攻撃しているのでしょうか…何度も手榴弾を投げつけます。
(ポパスナ市 ハナトフ軍事行政首長)「街のおよそ4分の3を占領されました。ロシアのやり方はすべてを破壊、殺害し進む。5月9日に向けてそれは勢いを増している」
ロシアで生まれ育ったというポパスナの行政トップ・ハナトフ氏は、今回の“軍事作戦”に矛盾を感じているといいます。
「ロシア語“話者”を守っているという建前だが実際は私の家族の家を奪い、すべてをポパスナに残して避難せざるを得なかった。住民はロシアを兄弟国と考えていたが失望した。」
先ほど、ルハンシク州の知事によるとポパスナの街すべてがロシア軍に制圧されたといいます。

▽親ロ派「人民共和国」の受け止めは
一方、ロシアが実効支配する “ルガンスク人民共和国”。“戦勝記念日”を控えた街に異変はあるのでしょうか…
“親ロシア派”の女性に話を聞くことができました。
(親ロシア派の女性)「戦勝記念日を祝うポスターが貼られていたり花火が上がる予定ですが、花火の音を砲撃と間違わないように住民に呼びかけがありました。」
お祝いムードの一方で、最近は、街の近くでも戦闘が始まったと言います。
(親ロシア派の女性)「これまでは、戦闘は境界線で行われ、市街地への砲撃はありませんでした。今では爆発音で目を覚ますことが日常となりました。 “共和国”ではほとんどの男性が徴兵されました。前線で死んでいく人も多く、女性たちは徴兵された夫や息子が心配なのです。」
改めて、ロシアの“特別軍事作戦”について聞いてみると…
「ウクライナ側の攻撃から身を守るための、唯一の手段だと正当化する人も多くいます。私は外交的に解決する方法があったと今でも思っています。最も願っているのは平和が訪れることです。」

5月8日『サンデーステーション』より

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