静岡の園児置き去り死 県・市が園に特別監査 法抵触あれば勧告へ - 産経ニュース

特別監査で川崎幼稚園に入る静岡県と牧之原市の職員＝９日午後、静岡県牧之原市

静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で園児の河本千奈ちゃん（３）が通園バスに取り残され、死亡した事件は９日、人為的なミスが重なったことを重くみた静岡県が特別監査に乗り出す事態に発展した。県は、増田立義理事長兼園長（７３）らに通園バスの乗降時の人数確認など安全管理態勢を中心に聴取。認定こども園法に抵触する事案が確認されれば、改善勧告を出す考えを明らかにした。

特別監査は同法に基づく対応で、この日午後、連携する市も含めて県・市職員約１０人が監査に入った。県福祉指導課によると、通園バスの人数や園内での出欠確認など千奈ちゃんが死亡した５日の手順などについて、増田氏や副園長ら５人から説明を受けた。

具体的には、園側が７日の記者会見で示した①乗降時のルールに不備があった②取り残された園児がいないか車内を確認しなかった③クラス補助が規定の時刻より早く登園管理システムの画面を確認した④担任は女児の不在を把握していたが、保護者に連絡しなかった―の４点のミスについて聞き取ったという。

県福祉指導課の小池美也子課長は監査後、園側への対応について、福岡県で昨年７月に起きた同種事件の行政対応を引き合いに「事案の重大性に鑑み、認定こども園法に抵触するような事象があれば改善勧告を求めたい。スピード感をもって対応したい」と記者団に語った。県は今後も聞き取りを続ける方針だ。

監査に協力した牧之原市子ども子育て課の前田明人課長は監査後、記者団に「（監査内容を踏まえ）市として再発防止策を考えていかなければならない」と述べた。市は９日、市内の全保育所・小中学校にバス運行時の人数確認などの徹底を求める通知を出した。

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