体に異変が現れたのは5年前だった。スマートフォンを落とす。手の震えが止まらない。
広島県に住む女性(36)は2017年10月、体が自由に動かなくなる難病「若年性パーキンソン病」との診断を受けた。
休職して仕事に戻ると、「休んで遊んでいた」と身に覚えのないことで戒告処分を告げられ、担当を外された。好きな音楽に携わる仕事だったが、2年で退職した。
求人を探しても、杖なしで歩けなくなった自分には難しいものばかりだった。頼れるのは高齢の親しかいない。絶望に襲われながら、得意だったアクセサリー作りを仕事にしようと思い立った。
偶然始まったやりとり
20年12月6日。クリスマスツリーを飾った部屋で、長机に白いテーブルクロスをかけた。イヤリングやピアス、ヘアピンを並べる。築80年以上の木造の会館で開かれた小さなクリスマスマーケットに、初めて自分の店を出した。
「これ、かわいい」
昼過ぎごろ。ショートカットが似合う女性が、ドライフラワーやラインストーンを使った青いピアスと、星形のピアスを買ってくれた。
商品説明と店のインスタグラムを紹介するリーフレットを一緒に渡した。
その夜、女性からインスタのメッセージが届いた。
「素敵なピアスに出会えました。うれしいです」
そんな感想をもらったのは初めてだ。見ず知らずのお客さんに喜んでもらえたうれしさがこみあげた。
届いた封筒の差出人は
1カ月もしないうちに、またメッセージが来た。青いピアスのパーツが外れたという。修理すると申し出て、郵送してもらった。
「この名前……」
一緒に住んでいた母は、ピア…
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