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《特別公開》満鉄線路の爆発はどのくらいの規模だったと思いますか? 実は… 出口さんが解説する柳条湖事件と“その後” - 文春オンライン

 立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明さんがふたたび週刊文春に帰ってきました。

 週刊文春の人気連載「出口治明の0から学ぶ『日本史』講義」は、出口さんの病気療養のため2021年春から2年半の間お休みしておりましたが、週刊文春10月26日号より再開の運びとなりました。久々の講義は天皇機関説事件や2・26事件が起きた時代から取り上げていきます。この連載再開に合わせて、文春オンラインでは休載前の講義(196回~201回)を期間限定で公開します。

 かねてから「『日本史』というものはない」と話してきた出口さん。世界全体の大きな流れのなかから、日本という国の姿を出口さんと一緒に見ていきましょう。(全6回の2回目/はじめから読む

出口治明さん ©文藝春秋

◆ ◆ ◆

満鉄の線路で爆発が起きた

 前回は満洲事変が起きるまでの背景を説明しました。今回は柳条湖事件とその後を見ていきましょう。

 1931年9月18日、午後10時20分頃、南満洲鉄道(満鉄)の線路で爆発が起こりました。場所は奉天駅北8キロほどの柳条湖付近です。

 

 首謀者は関東軍の板垣征四郎高級参謀と石原莞爾(かんじ)主任参謀です。石原には、戦争が戦争を養う自給自足圏を作って、最終的にはアメリカと雌雄を決する世界戦争をやるんだという壮大なビジョンがありました。27年にはすでに「満蒙(満洲と内蒙古)を領有せざるべからざるは絶対的」といっています。

 しかし陸軍中央は、反日的な奉天軍閥の張学良を排して、親日政権を作れば十分と考えていました。

偽旗作戦から戦争を仕掛ける

 石原の思想を正しいとは思いません。ただ、壮大な絵図を描いてそれを実行に移す能力はすごいものです。きっと人たらしなんでしょう。

石原莞爾 ©文藝春秋

 まず板垣がコロッとやられました。板垣に思想性はありません。石原に説得されて「お前がそんなにでかい夢を持っているんやったら、腹を決めてお前とともに命を賭ける。2人で日本を変えたろうやないか」といった感じです。

 2人は、永田鉄山が29年に作った「一夕会(いっせきかい)」という陸軍中堅将校の集まりの仲間です。一夕会では軍部刷新と満蒙問題解決に重点を置くことが議論されていました。

 この2人が偽旗作戦を起こしたのです。満鉄の線路を爆破して、それを中国人の仕業にする。そしてそれを口実に中国に戦争を仕掛ける。偽りの旗を掲げて危機を作りだし、それをテコにして日本を改造しようと考えました。

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