
栃木県教育委員会による県立特別支援学校2校の寄宿舎の廃止をめぐり、栃木特別支援学校(栃木市)の保護者が29日、県議会に寄宿舎の存続を求める陳情書を提出する。2万4千筆を超す署名もあわせて渡し、「未来の子どもたちのためにも、子ども、保護者、教職員たちの声に丁寧に耳を傾けてほしい」と訴える。
陳情するのは、保護者らでつくる「栃特寄宿舎の存続を求め未来につなぐ会」。署名の大半は栃木市や鹿沼市、小山市など通学区域のほか、宇都宮市で集めた。
陳情書では、県教委が、自宅が遠く通学が困難な子どもの減少を理由に、来年3月で寄宿舎を廃止することに反論。寄宿舎の役割について「時代は変わり、『自立し、社会参加する力を養う貴重な場である』と中央教育審議会でも報告されています」と言及する。
さらに廃止により「子どもたちの成長、自立する可能性を狭めることは、県自らも標榜(ひょうぼう)する『共生社会の実現』とも矛盾します」と指摘する。
同じく県教委が寄宿舎を廃止する予定の那須特別支援学校(那須塩原市)でも、保護者が今年9月、廃止計画の停止を求める陳情を県議会に出し、文教警察委員会で継続審査になっている。同校の保護者らでつくる「那須特別支援学校寄宿舎の存続を求める会」は今月15日、福田富一知事と阿久沢真理教育長に署名1万9455筆を提出した。
「自立できる力つく」
つなぐ会代表の筧三枝子さんは中3の娘・舞春(まはる)さんを寄宿舎に入れている。自宅から特別支援学校が遠く、舞春さんは中1から寄宿舎を利用している。
舞春さんは入舎して自分でできることが増えた。入浴前の着替えの準備や物干しハンガーのピンチの使い方……。寄宿舎の指導員が工夫をこらして繰り返し教えてくれたおかげだ。最近、かかりつけの病院の看護師たちから「言葉が明瞭で丁寧になった」と驚かれた。
筧さんは「障害をもつ子は何事も習得に時間がかかる。学校だけでなく寄宿舎があるのは大きい。手助けが必要な子が寄宿舎での教育で自立できる力をつけて社会に出られれば、社会全体の利益にもつながる」と話す。(小野智美)
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