今年35周年を迎え、コレクションの粋を紹介する展覧会「開館35周年記念特別展 戸栗美術館名品展Ⅱ―中国陶磁―」が、戸栗美術館で開幕しました。
戸栗美術館は、創設者・戸栗亨(1926~2007)の審美眼から、伊万里焼や鍋島焼など、日本の磁器を多く蒐集してきました。一方、中国陶磁にも高い関心を持ち、質の良い優品のコレクションを誇ります。

本展では、コレクションの中から厳選した中国陶磁の名品を展示。一挙公開は約15年ぶりとのことです。展示は主につのセクションで構成されていて、「各地の名窯―宋から清時代までー」では、定窯や龍泉窯といった中国を代表する窯の作例を紹介。そして中国陶磁で最も有名な景徳鎮窯を中心に紹介する「景徳鎮官窯の威風」では、景徳鎮官窯の名品が並びます。《豆彩 葡萄栗鼠文 瓢形瓶》は戸栗亨氏がお気に入りだったという逸品。

なんとこの作品、展示台が360度回転して瓶の全面を観ることができるのです。葡萄の枝葉の鮮やかさ、そしてそれを食べるリスの絵柄を楽しむことができます。そして「深遠なる古代陶瓷 」のコーナーでは、時代を遡って古代中国の作品を紹介。彩陶から緑釉陶器、唐三彩といった作品が並びます。


作品の裏側まで観てほしいという思いから、鏡を設置した作品も多く、ひとつひとつじっくりと質の高さと向き合える展示になっています。12月29日まで。
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