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中教審、働き方改革で特別部会設置 委員「優先順位論じるべき」 - 教育新聞

 教員の働き方改革や処遇改善などの総合的な方策について、永岡桂子文科相から諮問を受けたことを踏まえ、中教審初等中等教育分科会(分科会長:荒瀬克己(独)教職員支援機構理事長)は5月24日、第141回会合で、諮問に関する審議を行うための特別部会の設置を決めた。会合の中で委員からは「包括的・総合的な検討が必要だ」という指摘の一方、「優先順位を論じるべき」「もう一刻の余地もない」といった意見も聞かれた。

オンラインで行われた中教審初等中等教育分科会の会合

 会合では教員勤務実態調査の結果や、それを受けた永岡文科相の諮問などについて文科省から報告がなされた後、同分科会の下に「質の高い教師の確保特別部会」を設置し、諮問に示された学校の働き方改革、教員の処遇改善、学校の指導・運営体制の充実などについての議論を進める方針が示された。同特別部会の委員は荒瀬分科会長が指名する。

 これに対し、調査研究会の座長として論点整理にあたった貞広斎子委員(千葉大学教育学部教授)は「教師の働きやすさと働きがいの両立を実現するには、定数、給与、ウェルビーイングなどの構成要素の一つだけが改善されればよいというのではなくて、全ての要素に目配りをして、包括的・総合的な検討が必要だ」と述べた。

 同時に、教員勤務実態調査の結果(速報値)について、「ぱっと見たところ授業準備と校内研修が減っているが、これは教員が一番やりたいことを削減しているのではないか。教員が働きがいを持って取り組んでいるかといえば、相当難しい状況にあること、もう一刻の余地もないことを示している。長期的に慎重に検討することと、短期ですぐに対応するものとの両にらみで、素早く対応することも強く意識してほしい」と要望した。

 また、秋田喜代美委員(学習院大学文学部教授、東京大学名誉教授)は「全ての論点を同時に追求していくことは、財源の問題などを考えると非常に困難だろう。それらの優先順位、つまり令和の日本型学校教育を進め、教育の質を上げていくためにどれが最も必要なのかが論じられるべきだ。中学校の負担がまだ大きいことを考えると、小学校の効果検証を踏まえた中学校の35人学級など、教員定数や学級編制の見直しが、特に優先的に(行うべき)、極めて重要なところではないか」と指摘した。

 文科省の担当者は「教員勤務実態調査の最終的な分析結果は、今年度末までに取りまとめることを念頭に置いているが、(特定の)データを優先的に分析していくことはありうると考えており、審議の中で要請があれば、途中で分析をしてその結果を報告することもありうると考えている」と説明した。

 文科省の調査研究会は今年4月、教師の処遇改善や勤務制度、さらなる学校における働き方改革、学校の指導・運営体制の充実の在り方を一体的・総合的に検討する必要があるとして、今後の議論での論点を①教員給与②教師の勤務制度③さらなる学校の働き方改革の推進④学級編制や教職員配置⑤支援スタッフ配置――に整理した。

 今月22日の中教審総会では、こうした論点整理や、4月に公表された教員勤務実態調査の結果(速報値)に基づき、永岡文科相が「『令和の日本型学校教育』を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策」を諮問。「さらなる学校における働き方改革」「教師の処遇改善」「学校の指導・運営体制の充実」の3点を中心に議論するよう求めた。

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