プロボクシングWBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(35=英国)が28日(日本時間29日)、サウジアラビア・リヤドで元UFC同級王者フランシス・ガヌー(37=カメルーン)と対戦する。ボクシング界と総合格闘技界の「巨獣」同士がボクシングマッチで拳を交えるクロスオーバー対決。26日(同27日)には同地で試合前最終会見が開かれ、両者が再び対面。フェースオフでは両者がファイティングポーズを取りつつも、リラックスムードでにらみ合い、額を突き合いながらも笑顔をみせていた。

WBC王座は懸けられないものの、勝者にはWBCから特別な「WBCリヤド王座」ベルトが贈られる。WBCは「この格闘技イベントのユニークな性質を強調するため、総合格闘技の代名詞であるオクタゴン(八角形)をベルト装飾全体に複雑に配置した。デザインの中心にはサウジアラビア国旗を配置し、敬意を表している」との声明を出した。会見ではフューリーとガヌーがそろって特別ベルトを手に写真撮影した。

フューリーのガヌー戦ファイトマネーは6000万ドル(約84億円)を超えるとも言われている。サウジアラビア入り後には「時々鏡を見て、自分は絶対の天才だと思う」とジョーク交じりに発言。昨年4月にWBC同級暫定王者ディリアン・ホワイト(ジャマイカ/英国)を下して1度は引退表明しながら、昨年末には現役復帰している。

フューリーは「誰もがGK(ジプシーキング=フューリーの愛称)が終わったと思った時、完全に自分を救い出した。そしてここに来た。信じられないような話ではないか? ほんの半年前はボクシングをするか分からなかった。ガヌーと戦うだけでも構わないのに、もう1つ大きな試合を控えているしな」と自信たっぷり。12月23日、同じくサウジアラビアで予定されるWBAスーパー、IBF、WBO世界同級王者オレクサンドル・ウシク(36=ウクライナ)との4団体統一戦にも言及した。

それでも「ウシク戦について考えていない。事実あると言っているだけ。今はこの大きなソーセージ(ガヌー戦)を持っている。それで、彼をうまく焼き上げたら、次の料理に進むだけだ」と年末までに控えるビッグマッチ2戦を見据えていた。