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国連総会 ガザ「人道的休戦」決議を採択 緊急特別会合 - 毎日新聞

ガザ情勢を協議する国連総会の緊急特別会合=米ニューヨークで2023年10月27日、AP 拡大
ガザ情勢を協議する国連総会の緊急特別会合=米ニューヨークで2023年10月27日、AP

 国連総会(193カ国)は27日、パレスチナ自治区ガザ地区の情勢をめぐる緊急特別会合で、パレスチナとイスラエル双方の民間人に対する暴力を非難し、「人道的休戦」を求めるヨルダン提出の決議案を120カ国の賛成で採択した。イスラム組織ハマスへの非難がなく不十分だとして、米国とイスラエルなど14カ国が反対し、日本とドイツなど45カ国は棄権した。

 特別会合は、安全保障理事会が常任理事国の拒否権行使の応酬で一致した行動が取れないことを受けて開催された。安保理とは異なり、総会に拒否権を持つ加盟国はなく、決議に法的拘束力もないが、全加盟国の総意を示す政治的な重みを持つ。

 決議案はヨルダンが提出し、共同提案国にはアラブ諸国を中心にロシア、中国、南アフリカを含む50カ国近くが名を連ねた。

 決議はガザにおける「破局的な人道状況への重大な懸念」を表明。ガザ全域の市民への人道支援をただちに安全な形で実施することを求め、地域の不安定化と暴力の拡大を防ぐ重要性も強調した。またハマスに直接言及はせず、すべての民間人の人質の即時解放を求めている。当初の決議案に明記された「即時停戦」は、「即時かつ持続的な人道的休戦」に置き換わり、採択にかけられた。

 一方、カナダはヨルダンの決議案にハマスという責任の主体を明記した上で、テロ攻撃への非難と無条件の人質解放を求めた条文を盛り込んだ修正案を提出。賛成したのは88カ国で採択に必要な投票の3分の2以上に届かなかった。米欧や日本など西側諸国を中心に30カ国以上が共同提案国に加わっていた。反対は55カ国、棄権は23カ国だった。

 ヨルダン案の採択を受けて、パレスチナ自治政府のマンスール国連大使は「賛成したすべての国に感謝する」と述べ、「市民の命を救うため、今すぐ共に行動を」を呼びかけた。一方、イスラエルのエルダン国連大使は「なぜテロリストを擁護するのか」と不満をあらわにし、「国連には正当性のかけらもない」と非難した。【ニューヨーク八田浩輔】

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