前回(https://netkeizai.com/articles/detail/1456)は、エクセルでもできる「在庫リスク」を可視化する方法や商品種類やSKU数が膨大な場合の対応策についてご紹介しました。
今回は、効率的に売上を増やすために、注文数(販売数)ではなく客単価をコストをかけずに上げる方法についてご説明します。
客単価を上げるには高単価商品は必須ではない
新型コロナウイルス危機を受け、消費者の支出額は一部の生活必需品や日用品を除いて減っています。特に「嗜好品」に分類されることもあるアパレル・ファッション商材は減少が鮮明です。
こうした状況でも売上を立てていくには、数を売る(注文数を増やす)のではなく、客単価を上げることが重要です。
これまで、売上増加のためには注文数を増やす必要があると考える企業が多いのではないでしょうか。しかし、限られた広告宣伝・販売促進予算の中で注文数を大幅に増やすのは、とても難しいのです。
例えば実店舗なら来店者数は立地に9割方左右されますし、ECサイトだとPVを増やすには莫大な広告費が必要です。
また、これは私が子供服ECを経営していた頃に経験があるのですが、サイトの導線やクリック率の改善を図ると、どこかが改善しても別のどこかが悪化することが少なくありませんでした。PVを増やすためのクーポン配布や送料無料キャンペーンは、売上が増えたとしても粗利を圧迫してしまいます。
これに対し、客単価はほぼ予算をかけず、システマチックに上げることができるのです。ただし、客単価向上には「商品単価」が高い商品が必須ではないということには注意してください。
着目すべきは1回の買い物における注文内容です。レシートの内容が分かりやすい例ですね。単純に商品単価が高いため客単価が高い注文もあれば、商品単価が低い商品が複数購入されたことで客単価が高くなった注文もあることが分かるでしょう。
狙うべき客単価帯を割り出す
では、客単価を上げるために具体的にどうすれば良いのかみていきましょう。
まず、売上高は「注文数×客単価」の掛け算ですから、全ての注文を客単価ごとにグラフにしてみましょう。
下図は1000円刻みで客単価を区切った例です。客単価帯ごとの受注件数が棒グラフで表されていますね。ちなみに折れ線グラフは、客単価帯ごとの売上高(客単価 × 受注件数)を表しています。
この例では、客単価が7000円台(7000~7999円)の注文が最も多いことが分かります。ということは、客単価が8000円台以上の注文が増え、6000円台以下の注文が減れば、注文の総数は増えなくても全体の客単価が向上するため売上が増加することになります。
となると、客単価が8000円台以上の注文を増やす工夫が必要になりますよね。どうすればいいか。客単価が8000円台以上の注文(レシート)の中身をよく分析し、よく購入されている商品を割り出せばいいのです。
そうした商品のうちで在庫がある商品の販促を強化すれば、全体の客単価は向上します。
しかも手元にある在庫を活用するので、売上が増えると同時に在庫が減っていきます。
逆に、客単価が6000円台以下の注文が増えると、注文総数が目立って増えない限り売上は減ってしまいます。
つまり、売れれば売れるほど全体の客単価を下げてしまう商品があるのです。こうした商品をたくさん売っている場合、利益も出にくくなります。
そうした商品に販促予算をかけている場合は、できるだけ早くやめるのが賢明です。コロナ危機の影響で、消費者は「一度の買い物で必要な商品を揃えよう」という心理が強くなっていますから、客単価の重要さがご理解いただけると思います。
次回は、この続きで、客単価を上げるためにどのような販促を実行すれば良いのかをみていきます。お楽しみに。
【著者プロフィール】
フルカイテン株式会社
代表取締役 瀬川直寛(セガワ・ナオヒロ)
売上増加と在庫削減の両立を実現するシステム「FULL KAITEN」を開発し、クラウドサービスとして大手小売企業や楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー受賞店舗などに提供。 EC経営者として倒産危機を3度乗り越えた経験を踏まえた理論・考え方は、多くの企業から高く評価されており、「FULL KAITEN」にも多くの問い合わせが寄せられている。
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September 05, 2020 at 08:00AM
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【コロナで顕在化した在庫問題!売上を増やし在庫を減らす新手法とは?】 第5回「客単価はほぼノーコストで向上可能!」 - マイナビニュース
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