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<かわさきリポート>特別支援学校で賃金過払い 介助員が指摘も耳傾けず 市教委返金通知「納得できない」 - 東京新聞

異なる時給が書かれている募集要項(上)と任用通知書=市内で

異なる時給が書かれている募集要項(上)と任用通知書=市内で

 川崎市の特別支援学校で、障害のある児童生徒の学校生活に携わる介助員の四、五月分の給与と六月に支給した期末手当を、市教育委員会が多く支払うミスが、七月に発覚した。市教委は介助員に謝罪した上で返金を求めているが、四月の段階でミスに気付いていた介助員たちからは「納得できない」との声も上がっている。(北條香子)

 介助員は非常勤で子どもたちのトイレや食事などの生活介助を担う。本年度は中央(高津区)と田島(川崎区)の両支援学校で計三十人が働く。時給千二百六十二円だが、市教委は約二百円高い千四百六十三円として、給与と期末手当を支払っていた。過払い額は合計約二百二十万円に上る。

 返金を求める額は一人当たり約五万〜八万円で、時給制で夏休みは無給となる介助員には重くのしかかる。取材に応じた介助員の女性は「お金のことはあまり考えないようにしているが、財布を見ると不安になる」と明かす。

 民間の賃金水準を公務員の給与に反映するため、民間賃金の高い地域に勤務する職員に支給される地域手当を、市側が二重加算して給料表を設定していたのが過払いの原因という。

 ただ、この女性によると、年度初めの四月、市教委から受け取った任用通知書に「時間額千四百六十三円」とあるのに気付いた別の介助員らが教頭に「募集要項の時給と違う」と伝えていた。教頭が市教委に確認したが、市教委は「任用通知書の通りで間違いない」と回答した。

 ところが市教委は六月中旬、来年度の募集準備を進める中でミスを認識したとし、返金を求める通知書を七月中旬に各介助員に配布するとともに、各校で説明会を開き謝罪した。

 「介助員からの指摘は『間違っているわけがない』と耳も傾けなかったのだろう」と女性は憤る。市教委関係者も「そもそも給料表を設定する時点で、市の総務企画局と市教委とできちんと確認していれば防げた。さらに四月の対応もまずかった。いくつものミスが重なった」と漏らす。

 七月の説明会では「納得できず、返金に応じられない」という介助員もいたが、市教委の担当者は「確認ミスですみません」と繰り返すのみだったという。女性は「仕事は楽しく、やりがいがあるが(過払いが発覚するまでの)三カ月の頑張りは何だったのかと思ってしまった」と嘆く。

 介助員の給与は税金から支払われている。「税金だからこそ、市教委がきちんと確認するべきだった。市教委の確認ミスに振り回された私たちに簡単に返金を求めることにもやもやする」と女性は訴える。

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