近代日本の発展を経済的に支えた生糸貿易の歴史を紹介する特別展「横浜から世界へ 海を渡った生糸」が横浜市中区山下町のシルク博物館で開かれている。四日には、開港直後の横浜で活躍した生糸貿易商中居屋重兵衛の出身地、群馬県嬬恋村から熊川栄村長と重兵衛の子孫の黒岩幸一さんらが視察に訪れた。(阿部博行)
横浜をテーマにした浮世絵「横浜絵」や貴重な記録資料、写真など百点を展示。幕末の浮世絵師貞秀が描いた六枚続きの大作「再改(さいかい)横浜風景」(縦約四十センチ、横約百五十センチ)は同館が昨年収集した作品で、今回が初展示。外国人居留地を含む風景画の中には、現在の同館の場所にイギリスを代表した総合商社ジャーディン・マセソン商会の白壁の商館を見ることができる。
重兵衛が開店準備に奔走する姿を伝える日記「昇平日録」や、火薬の研究者でもあった重兵衛が刊行した火薬製法書は、群馬県以外での展示は初めてという。独特の形に束ねた生糸の標本なども並び、後期展示では明治時代に富岡製糸所(富岡製糸場の後身)で作られた生糸が登場する。
嬬恋村は重兵衛の縁で横浜市中区と友好交流協定を結んでいる。
熊川村長は「中居屋重兵衛顕彰会」(山崎章一会長)のメンバーらと展示物を鑑賞し「文明開化の地・横浜ですごいことをした人物だとあらためて感銘を受けた」と語った。重兵衛から七代目の黒岩さんは「先祖の資料が初めて横浜に帰ったような感じで感無量です。多くの方に見てほしい」と話した。
前期展示は二十三日まで。後期は二十五日から十一月十三日。月曜休館(十月十日は開館、翌十一日休館)。一般七百円、シニア・大学生三百円、小学生から高校生百円。
問い合わせはシルク博物館=電045(641)0841。
関連キーワード
おすすめ情報
from "特別" - Google ニュース https://ift.tt/sxjVAQR
via IFTTT
Bagikan Berita Ini
0 Response to "横浜の生糸貿易ひもとく シルク博物館で特別展 横浜港を描いた浮世絵など展示 - 東京新聞"
Post a Comment