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なぜサッカーW杯は特別視される? 前回ロシア大会は35億人がTV観戦、その熱狂の起源とは?:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

試合会場じゃなくてもスタンドは真っ青…パブリックビューイングで熱狂的に応援する日本代表のサポーター=2002年W杯、国立競技場で

試合会場じゃなくてもスタンドは真っ青…パブリックビューイングで熱狂的に応援する日本代表のサポーター=2002年W杯、国立競技場で

<サッカーW杯 知っ得!①起源>

 約1カ月間に及ぶ4年に1度のサッカーのワールドカップ(W杯)は、11月20日に男子のカタール大会が幕を開ける。各国・地域のトップ選手で構成される年齢制限のないフル代表(A代表)同士の戦い。カタール大会には、欧州、南米、北中米カリブ海、アジア、アフリカ、オセアニアの各大陸予選に参加した200チーム以上から勝ち上がった32チームが、全64試合の中で熱戦を繰り広げる。

◆第1回大会開催地、なぜ南米の小国だった?

 個人競技、団体競技を含めてさまざまなスポーツにW杯と呼ばれる大会はあるが、サッカーのW杯が特別視されてきたのは、日本でもサッカーファンにとどまらず、多くの人を巻き込みながら熱狂をつくりだしてきたらかもしれない。ボール1つあれば始めることができるサッカーは発祥に諸説あるが、今や世界に広く普及し、前回2018年のロシア大会では推定35億人以上がテレビなどで観戦したと言われている。

 その始まりは、世界選手権として開催された1930年のウルグアイ大会。提案したのは、フランスサッカー連盟の初代会長で1904年に創立された国際サッカー連盟(FIFA)の第3代会長、ジュール・リメ氏。プロ選手による大会の創設が当時から考えられていた中、1921年のFIFA会長就任とともに動きだした。

 南米の小国が会場になったのはいくつかのきっかけがあった。五輪のサッカー競技で1924年パリ大会、1928年ストックホルム大会をウルグアイが連覇したこと。ウルグアイの有能な外交官とリメ氏との出会いがあったこと。独立100周年のウルグアイの政府が参加チームの旅費を負担してくれたこと。

 リメ氏の著書「ワールドカップの回想」によると、パリ五輪決勝で果敢に攻めるスイスを破ったウルグアイのテクニカルで緻密な戦法は何より、欧州の観客を感嘆させた。移動手段が現代ほどなく世界の距離が遠かった時代。欧州からの祝福にウルグアイだけでなく南米諸国も誇りを感じ、共感の流れが強まったという。

◆国民性表れる闘いぶりも魅力、日本は?

 サッカーの代表戦には、チームごとに国民性や身体的特徴を生かした戦いが顕著に表れる面白さもある。高額な移籍金がニュースになるようなスター選手や、Jリーグなど身近で活躍する選手たちが普段所属するクラブチームから、今度はそれぞれの代表チームのユニホームを着て戦い、屈強なフィジカルを前面に出すパワープレーだったり、チームの中心選手の優れた技術に頼ったり、パスワークや組織力を徹底したり。

アジア最終予選でイランに勝ち、W杯初出場を決めて喜ぶ日本イレブン。「ジョホールバルの歓喜」と称され、日本中が喜びに沸いた=1997年11月、マレーシアで

アジア最終予選でイランに勝ち、W杯初出場を決めて喜ぶ日本イレブン。「ジョホールバルの歓喜」と称され、日本中が喜びに沸いた=1997年11月、マレーシアで

 勤勉な国民性と言われる日本はサッカーも高い規律とともに、俊敏に、そして忍耐強く戦ってきた。アジアの予選も突破できなかった歴史の中では、ときに泥くさく世界に挑んできた。「このピッチ上、円陣を組んで今散ったのは、私たちにとって彼らではなく、私たちそのもの」。日本が初のW杯出場権をつかんだ1997年11月のアジア第3代表決定戦イラン戦の延長戦前、試合を中継したNHKの山本浩さんの名実況だ。

 最高峰の舞台を通じ、見る側は広い世界に思いをはせながら、一丸となって戦うチームに自分を重ねたりするのがW杯なのかもしれない。(上條憲也)

   ◇   ◇

 4年に1度の熱狂、サッカーW杯がいよいよ今月始まります。20日、カタール大会の開幕までに、「知っとくと大会をより楽しめる」というW杯トリビア「知っ得!」を随時連載し、気運を盛り上げていきます。

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